古来から島の暮らしに寄り添っていた貴重な「山茶」


対馬で古来から栽培されてきた在来の茶樹「山茶」で作った釜炒り茶です。
集落間の移動は陸路より舟、移動手段は対州馬を使っていた時代。
森林面積が島の約9割を占める山がちな対馬では、少ない耕作地を補うために伝統的な野焼きである「木庭作」を行っていました。
木庭作では対州そばや赤麦等を栽培していましたが「山茶」と呼ばれる茶樹もよく植えられていました。
炎に負けず、火入れの後真っ先に生えてくる、生命力あふれる在来の茶樹です。
野焼き
チャノキ(Camellia sinensis)は中国原産の植物であり、日本へは奈良時代以前に渡来したと考えられています。
対馬の在来茶樹が誰がもたらし、いつから飲まれていたのかは定かではありませんが
朝鮮通信使や遣唐使、遣新羅使のルートになっていた島ですので、本土より早い段階で庶民に親しまれていた可能性もあります。
茶摘みは八十八夜の頃、家族総出で山へ摘みに行っていたようです。
在来茶樹
当園の在来茶樹は先代から譲り受けた山に植えられていたものです。
ゆずの植栽のためにスギ林を開墾したところ、日光を得て一斉に芽吹き出しました。
スギの植栽前の昭和10年代には存在していたという話もあり、休眠期間はあるもののかなりの樹齢になると推察されます。
機械の入れない急峻な土地にある為、それぞれの樹から手作業で芽吹いたばかりの新芽を摘み取ります。
釜炒り製法
元々は天日干しで飲まれていた対馬の山茶は、江戸時代に釜炒り製法が伝来して以降
釜炒り茶として島で暮らす人々に親しまれてきました。
当園では、現在は作り手の少ない青柳式釜炒り製法で、釜の温度を確認しながら丁寧に仕上げています。釜炒りした茶葉
荒茶に仕上げた山茶は、手作業で選別し、茎等を丁寧に取り除きます。
これにより、茶葉本来のまろやかな甘みをお楽しみいただけます。
仕上がったお茶は摘んだ生葉の4分の1程度の量になっています。
収穫量の少ない山茶は毎年少量しか生産できず、限定量でのご案内となります。

 
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